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『港町』で観察映画に初めて触れた
想田監督作品では『選挙』が一番好きだが、監督の作品で初めて観たのは『港町』だった。渋谷のイメージフォーラムでの上映だった。観終えて出てきたら渋谷の街が静かで、全然違う場所なのにまだ映画の中に居るような不思議な感覚を今も覚えている。 観察映画というジャンルに触れること自体、この作品が初めてだった。 牛窓という瀬戸内の漁師町。映されるのは人々の生活する姿。本当に、ただ生活を撮っている。にもかかわらずそれが美しく見える瞬間がある。 現在という感覚を喪失させるモノクロの画面。時間のグラーデションというか、いくつもの時制を行き来している感じがする。撮っている人間が、撮りながらその光景に入り込んでい