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古川 日出男『非常出口の音楽』を読む。
もう一冊の掌編集である『gift』とは似ているようで全然違う。 あちらはアイデア集というか、小説が萌す瞬間に焦点を合わせた作品だった。 この本が語ろうとしているものは、もっと掴みがたく、もしかしたらもっと切実なものかもしれない。 それは、現実というフィクションに立ち向かい、生き延びる助けになるフィクションがあるとしたらどんな姿をしているのか、ということだ。 その点で、古川日出男の小説は坂口恭平の『現実脱出論』と接続することができるのではないかと思う。 否定や逃避では現実をより強固にしてしまうだけだから、個々人の思考(空間認識)に還る=脱出という考え方は、古川日出男の作品にも見出せる。 た