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古川 日出男『ルート350』を読む。
短篇小説は長篇に較べ、作家の核となるものがより表れやすい。 多彩なスタイルに見えて、その実(あとがきで触れているように)同じモティーフを変奏のように繰り返し語り続けている古川日出男のような作家は特に。 この短篇集では「レプリカ」という単語が何度も使われている。 小説は、現実のレプリカなのか。 そうだとしたら、人はなぜ、わざわざ模造品を作って、読むのか。 ここに収められた8篇は、そんな問いを読者に突きつける。 『お前のことは忘れていないよバッハ』 三軒並んだお隣同士が不倫しあって父母シャッフルというとんでもない状況で共同生活を始めた三人の子どもたち、それからハムスターのバッハ。 家の中を世界