映画『ハンナ・アーレント』を観る。
誰もが見るべき作品というものがある。
これは、そのような作品だ。 ナチ高官の裁判とそれを傍聴するドイツ系ユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントを描いた映画。
だが、これはあるべき裁判だろうか?被害者としてのイスラエルのモサドが被告を誘拐して絞首刑にする?
400万人〜600万人のユダヤ人を死に追い込んだ行為。死刑は当然か。
しかし、それは当人の意思によるものではない。それを、誘拐して死刑を宣告する。
果たして、それが正義だろうか? 被害者と加害者、中立な立場であろうとする者が見る世界がそれぞれどれだけ違うものなのか。
世界は、僕らの意識の外に、客観的な世界を備えているわけではない。一人ひとりが、