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『J・G・バラード短編全集2 (歌う彫刻)』を読む。
J・G・バラードは見ることの作家だ。というか、本来他の感覚で受け取るものまで視覚で描いてしまう。音響彫刻などいい例だ。 そして、見えないものを見ることには、固形化・固定化が付きまとう。 例えば『結晶世界』。その背後には『時の声』で語られているような時間の死が隠れている。 バラードといえば例の自転車と健忘症の男の喩えを思い出すが、この「健忘症」もバラードにとっては一つの技法だ。 よく見知っているはずのものを無知の状態の中に放り込んでその本質、外界の反応を視る。 バラードの作品を読んでいるとそういう印象を受けることがよくある。 反応を視られているのは私たち読者も同じかもしれない。 J・G・バラ