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『クラゲの海に浮かぶ舟』を読む。
操作された記憶、奪われた記憶、欠落した記憶。 そんな世界の不確かさに怯えるのでも憤るのでもなく、ただ、ぼんやりと(ニセモノかもしれない)「現実」を受け入れる「ぼく」(あるいは「君」)。 この、離人症的というか、感覚の麻痺した語りが、何よりも饒舌に、そして切実に、語られていない「これまでのあらすじ」を訴えかける。 この小説が描く世界は断片的だ。 ナノマシンによってバラバラにされて組み直されたヒトやモノや世界。 そして小説の語りも断片的になり、時には互いに矛盾した記述も出てくる。 形の合わないパズルのピースである。 しかしながらピースは不定形の生もので出来ているから、形を変えてすっぽり収まって