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稜線の光
霜が降りたばかりの朝焼けの野原に 祖父の背中を追いかける五歳の私の幻影が映る  ⁻ 麦わら帽子を掴み キノコ採りに出る祖父の背中に向かって 祖母は一体何と声をかけていたのだろう  ₋ 言い出したら聞かない駄々っ子のように 返事もせずに 祖父は一心に山を目指した  ⁻ ナラ林の下生えを 音を立てて踏みつける祖父の背中を 私はひたすら追いかけた  ₋ 湿った苔の匂いが沈滞する樹木の枝葉の合間から…