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Pa+: ISSUE #003 Phobia and Artistic Production
#003 Pa+ フォビアと芸術生産 Background ミヒャエル・ハネケの映画作品《コード・アンノウン》は、短いシークエンスを通して、人と人とのすれ違いを繰り返し描き出します。地下鉄で移民の少年にからまれ、去り際にツバを吐きかけられる主人公の女性。一方で、乗客たちや女性からいないもののように扱われる少年。 そして、すぐそばで起きている女性と少年のやり取りから目を背け、押し黙る乗客たち。登場人物はみな、恋人や家族、職業や価値観のような身近でごく個人的なことから、国や人種のように個人レベルではどうにもならないことにまで、嫌悪と無理解を抱えながら、閉塞感の中に生きています。彼らは理解されたいと望みながら理解されることはなく、また逆に、理解したいと望みながら理解することができないのです。言葉は正しく伝わらず、異なる人種や国籍、世代間でのコミュニケーションは失敗に終わります。善意は理不尽な暴力になり、互いへの嫌悪と無理解ばかりが増幅されていきます。 フォビアとは何か? 私たちは何をフォビアの対象とするのか? フォビアを持たない人はいるのか? 個人的なフォビアと社会的なフォビアはどこが違うのか? フォビアを読み解くことは可能か? フォビアは解消できるのか? 解消されないとしても、いかに対峙することができるのか? このプロジェクトは、個人や社会が何らかの形で抱える「フォビア」について考え、芸術生産がどのように関わることができるのか、可能性を探ります。 CONTENTS 粟田大輔(美術批評) 「金縛りと夢」 榎本浩子(アーティスト) 「話したくないこと」 河口 遥(アーティスト) 「母に描かれる 母の子 母とモデル」 岸井大輔(劇作家) 「戯曲 島」 金 善瓔(日本居住韓国人) 「キンパ」 倉茂なつ子(芸術表象) 「80年代生まれの彼女たち」 小泉明郎(アーティスト) 小林 杏(写真研究) 「わたしたちと彼らの、恐れと欲望―<遺影写真>と<死児写真>-」 齊藤哲也(芸術表象) 「甘美なる嫌悪と嘔吐」 サエボーグ(アーティスト) 「二匹の蛇を持つ女神」 菅谷奈緒(アーティスト) 「他者 / リスク / 不和 / セキュリティ / 信頼についての覚書」 杉田 敦(美術批評) そこに行かなくてはならないと感じていた