yakumokai.org
ラフカディオ・ハーン『知られぬ日本の面影』 への旅:高嶋敏展写真展 | 八雲会 | The Hearn Society:小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の研究・顕彰
趣旨 小泉八雲の『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan Vol. 1 & 2, 1894)』は、小泉八雲の文学活動の大きな柱であるルポタージュ・紀行文の最高傑作と言われます。タイトルの"Glimpses"という言葉には、来日第1作目でまだこの国を「瞥見したにすぎない」という来日外国人の謙虚さが込められ、一方で"Unfamiliar"には、まだ先学が切り開いていない日本文化の未知の部分、つまり古代出雲文化を継承する「知られざる民衆の精神生活」を描出したという自信に満ちた言葉が、緊張関係をもって並記されています。 この本には、1年3か月の松江滞在中の五感を研ぎ澄ませた観察・取材の成果、山陰各地への小旅行や、1895年に熊本から隠岐を訪ねた時の紀行文などが収録されています。だからその内容は「明治出雲国風土記」とも言えます。初版だけで26刷まで達するベストセラーとなり、後に「松江や出雲ほど、直接見たことのない人たちに熟知されている都市や地方は、ほかにちょっとあるまいと思う。(中略)これほど完全な『旅行ガイドブック』をもった地方は世界に稀であろう」(P.D.パーキンズ「松江とハーン管見」)と評価されました。これは、この本が持つ文学作品と旅行ガイドブックとしての「両面性」を物語っています。 本展では、1)この本の主流をなしている民俗学的な関心と、五感を駆使したフィールドワークを行い、直観的な日本理解への深さと確かさを導いたハーンの観察法。2)ハーンの中にある自然観と自然描写における言葉の画家(Word Painter)としての美意識を持った表現法。3)ハーンの中にある旺盛な好奇心と山陰各地の取材旅行をしたルポライターとしての観察力と洞察力。の3点から作品に対する解釈を試み、展示では、高嶋敏展氏の写真作品やハーン自身が蒐集した寺社のお札の写真展示とともに"Glimpses"への旅に誘っていくことを目的とします。
八雲会 (The Hearn Society)