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DESTINY 鎌倉ものがたり | Case Of Akvabit
本作を観終わった私が劇場を出てすぐにしたこと。それは鎌倉市長谷二丁目3-9を検索したことだ。その住所とは作中で一色夫妻の住む家の住所だ。一色夫妻とは、堺雅人さん扮する一色正和と高畑充希さん扮する妻亜紀子のこと。作中、何度も映し出される一色家の門柱にこの住所が記されている。私はその番地を覚えておき、観終わったら実際にその番地があるのか検索しようと思っていたのだ。何が言いたいかというと、本作で登場する二人の家が実際に鎌倉にあるように思えたほど本作が鎌倉を描いていたという事だ。 その住所はおそらく実在しない。二丁目3-6と3-11は地図から地番が確認できるが、二丁目3-9の地番は地図からたどれないからだ。Googleストリートビューで確認すると、3ー9と思しき場所に建物は立っているのだが。ただ、ストリートビューでみる二丁目3-9の周囲の光景は、本作に登場する二丁目3-9とは明らかに違っている。それもそのはず。本作に出てくる鎌倉の街並みは、現代からみればノスタルジックの色に染まっているからだ。パンフレットに書いてあった内容によると、エグゼクティブプロデューサーの阿部氏からは1970-1980年代の鎌倉でイメージを作って欲しいと監督に依頼したようだ。つまり、その頃の鎌倉が本作の舞台となっている。 そのイメージ通り、冒頭で新婚旅行から帰ってきた二人の乗っているクラシックカーは江ノ電と海岸に挟まれた道を走り、江の島をバックにして有名な鎌倉高校前の踏切を折れ、山への道を進む。その光景の中には全く現代風の車は登場しない。走っている江ノ電の正面にある行き先表示は電光掲示板で、あれっ?と思ったが、どうもその車両は1000系のように思えた。調べてみると1000系の車両は1979年にデビューしたようだ。スクリーンで電光掲示を掲げた江ノ電を見た瞬間、本作の時代考証に疑問を抱きそうになったが、その車両ならギリギリ許されるのだろう。