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ベイマックス | Case Of Akvabit
原作は日本人6人が主人公という設定の「ビッグ・ヒーロー・シックス」。本作はヒーローを5人とし、主人公のヒロ・ハマダ以外は各国人という設定にリメイクしたものである。 5人のヒーローものといえば、40~50代の日本人にとってはお馴染みである。それはガッチャマンであり、ゴレンジャーであり、デンジマンとして記憶に沁みついている。本作はその路線を踏襲し、近未来の世界に舞台を移している。近未来といっても荒唐無稽なものではなく、現代の技術を拡張させた世界観に沿っている。 ストーリー自体はそれほど凝った設定ではない。兄の死というトラウマを抱えた主人公が、ロボットと仲間の助けを借りて、兄を死に至らしめた陰謀へと立ち向かっていく筋である。昔の戦隊モノでは、のっけから当たり前のように悪役が存在していた。ギャラクターしかり、黒十字軍しかり、ベーダー一族しかり。しかし本作ではきちんと悪役が存在するための理由づけがされている。昨今の複雑な背景設定に慣れている観客を意識した改変といってよいだろう。 ある程度背景設定されているとはいえ、単純に快活に楽しめるのが、本作である。本来ならば余計なことは考えず、ただ楽しむのが本作のもっとも幸せな鑑賞方法だろう。現に中2の娘も、今までに見たディズニーの作品で一番面白く、感動したといっていた。だが、それだけだと私も本作を見た記憶を忘れてしまうので、もう少し穿ってみるとする。 本作の主人公ヒロ・ハマダは日本人で13歳にして大学を飛び級入学できるだけの頭脳の持ち主。従来のヒーローは自らをバージョンアップさせない。大抵は007ことジェームズ・ボンド・シリーズにおけるQのような他人の助けを借り、衣装やメカや武器の開発は他人任せ。が、本作の主人公ヒロは、その頭脳でもって自らをチューンナップさせ、バージョンアップさせることができる。本作の主要製作陣の中には日本人はいないようだが、家電・電子分野で落ち目と言われて久しい日本人の過去のイメージが、本作でのヒロのように保たれているのは嬉しい限りである。3Dプリンターの進化系と思しき装置を13歳の少年が自在に操作する姿に、日本人として面映ゆく思ったのは私だけだろうか。海外から持たれている頭脳・技術立国としての我が国のイメージ。それを将来の日本が守り続けて欲しいと思うばかりである。