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「緊急事態条項」こそが一番の緊急事態? | What's デモクラシー? ワツデ
元日に安倍首相は「任期中に緊急事態条項から憲法改正に取り組む」と発言しました。え?何それ?と思われた方も多いでしょう。 「緊急事態条項」は、大災害などへの対応を定めるものだとか。「9条改憲は抵抗あるけど、災害への対応は必要かも」と思うかもしれませんが、実はこの「緊急事態条項」、けっこう危ういのでは?という声が高まっています。 大災害への対応に改憲が必要? 自民党がつくったマンガ『ほのぼの一家の憲法改正ってなあに?』には、こんなくだりがあります。 「地震なんかの時の憲法の規定はどうなってんだろう?」 「ない」 「えーっ⁉︎」 「今の日本の憲法には、地震なんかの緊急事態に関する規定はないんだよ」 (中略) 「緊急事態の時に、多くの国では、大統領などの行政のトップに強い権限が与えられるんじゃ」 「海外では、行政のトップが『緊急事態宣言』を出して、国会での予算措置を待たずに被災地にお金を使ったり、国会議員の選挙を延期したりできるんだよ」 「どうして?」 「スピードだな」 「それだったら、地震の時にもすぐに、住民の避難や復旧活動ができるってわけだ‼︎」 緊急事態条項があれば大災害が起きてもスピーディーに対応できる、というのです。たしかにまた大地震があるかもしれないし、「緊急事態条項」って必要かも・・・と思ってしまいそうですね。 「緊急事態条項」が必要な理由として、国政選挙の時期に大災害があったら国会に議員の「空白」ができるし、選挙どころではなくなるから、議員の任期を延長できるようにしようということが言われます。しかし、実は今の憲法はそういう場合も考えてあります。「内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる(54条2項)」という規定です。たとえ衆参同時選挙となる場合でも、改選されない半数の参議院議員で緊急集会を開けば法律を作り予算措置をすることができるので、問題はないのです。 災害時は むしろ現場に権限を下ろすべき 災害対応は現場の判断が重要 東日本大震災の際に、岩手県宮古市の避難所で法律相談を行った弁護士・小口幸人さんは、災害対応で一番重要なのは「現場に権限を下ろすこと」だといいます。被災地の実情を知っている現場の自治体などを信頼し権限を与えるのが鉄則で、「緊急事態条項」のように国に権限を集中させるのは逆効果だというわけです。