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レポート:大阪成蹊大学トークイベント「ビデオゲームの世界はどのように作られているのか?――松永伸司『ビデオゲームの美学』をヒントに」(2019年8月31日) | フィルカル
去る8月31日大阪成蹊大学にて、『ビデオゲームの美学』書評会運営委員会主催、大阪成蹊大学芸術学部共催、弊誌フィルカル後援のワークショップ「ビデオゲームの世界はどのように作られているのか?――松永伸司『ビデオゲームの美学』をヒントに」が開催されました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。この記事では、当日の会場の様子をお伝えしていきたいと思います。 最初に企画・運営の大阪成蹊大学の加藤隆文さんから、ワークショップの趣旨が説明されました(もうひとり企画・運営を担当されていた西條玲奈さんが体調不良のため残念ながら当日は参加できないこともあわせて告知されました)。このワークショップが企画に至った直接のきっかけは、昨年刊行された松永伸司氏の著作、『ビデオゲームの美学』です。この著作は、ビデオゲームの美学をテーマとした我が国初の本格的な研究書としてかなりの注目を集めました。そして刊行直後にフィルカル4-1号に三木那由他氏による重厚な書評論文「ビデオゲームの統語論と意味論に向けて」が掲載されました。三木さんの論文は、読んだ人の誰もが松永さんご自身の応答やおふたりの直接的な議論の応酬を聞きたいと思わせるような、大変鋭く、魅力的なアイデアに富んだものでした。こうした読者の声無き声に応えてくださったのが、このワークショップです。一方、松永さんの議論はビデオゲームの美学的分析について三木さんのとりあげた論点だけでなく、ビデオゲームを美学的に論じるための枠組みをまるごと与える意欲的な試みです。そこでポピュラー文化研究の視座からゲームプレイ鑑賞についての研究にも取り組んでいる新進気鋭の分析美学研究者、難波優輝さんに三人目の登壇者として発表してもらい、三木さんと難波さんの発表に対して松永さんより、自著で構築した理論的枠組み基づいて論評をお願いすることにしました。 会場の様子 まず松永さんご自身から、『ビデオゲームの美学』(以下『ビデ美』と略します)の内容のうち特にこのワークショップにかかわってくる部分について概要の解説がありました。最初に『スペースウォー!』、『スペースインベーダー』、Nintendo