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Vol. 4, No. 1の内容紹介(第2回) | フィルカル
前回(. 4 No. 1』の内容をご紹介いたします。 哲学への入門 「デヴィッド・ルイス入門 第4回 フィクションにおける真理」(野上 志学) 「時間論入門 第1回 永久主義・現在主義・成長ブロック説」(大畑 浩志) 哲学への入門記事、今号は、野上氏による「デヴィッド・ルイス入門」の最終回と、新たに連載がスタートしました、大畑氏による「時間論入門」の二本立てでお送りしています。 はじめに、過去3回にわたるルイス入門記事の概要を簡単に振り返っておきましょう。第1回記事(Vol. 2 No. 2)では、基礎編として、ルイス哲学全体の根幹を担っている「可能世界」理論の内容を紹介しました。「何かが可能であるとはどういうことなのか」という問題に対し、可能世界という概念を使って、ルイスがどのような説明を与えたのかを確認しました。そこでルイスによって特徴づけられた可能世界のあり方は、一見すると非常に奇妙なものでした。しかし、この可能世界概念が、じつはさまざまな応用可能性をもっているということが以降の記事で徐々に明らかになっていきます[1]。第2回記事(Vol. 3 No. 1)では、この可能世界概念を用いると、反事実条件文と呼ばれるようなタイプの文(「もしAだったら、Bだっただろう」)に対し、クリアな分析を与えられることが確かめられました。ただ、反事実条件文を分析できるということのメリットは、それほど自明なことではないかもしれません。このことの意義がより明確な仕方で「現金化」されたのが、因果性を扱った第3回記事(Vol. 3 No. 2)です。ルイスは、因果言明(「CがEを引き起こした」)を、反事実条件文(「もしCが起きなかったら、Eは起こらなかった」)として、さらにこの反事実条件文は、可能世界間の類似性によって分析できると考えました。可能世界という一見奇妙な概念は、因果という哲学上の重大トピックを理解するための新しい視座を与えるものであることが、この記事の中で確かめられたのでした。 さて、最終回となる今回は、可能世界理論の射程の広さを確認するための、言わば、応用編第三弾です。ルイスの「フィクションにおける真理(Truth in