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バレエの歴史に新たな一頁! 劇的舞踊『ラ・バヤデール ー幻の国』初日、遂に世界初演の幕上がる
朝、激しい雨に見舞われた記憶もあるのですが、 同じ一日のうちにこうも変わるものかというくらい 連続性を欠いた天気の変わりようは何かの暗示だったのかもしれません。 2016年6月17日(金)、新潟、りゅーとぴあ・劇場、 少し早く会場に着いてみると、はやくも見知った顔がちらほら。 時間を追う毎に、明らかに期待で上気した面持ちの輪があちらこちらで形作られ、 ロビー開場されたのちのホワイエでは、待ち遠しさは既に幸福の予感へと姿を変えて膨らみ、 それさえ、あと数分で現実のものとなることを知る全ての顔には 「劇場」が果たす役割が見事に投影されていたと言えます。 そして午後7時、遂にNoism劇的舞踊『ラ・バヤデール -幻の国』世界初演の幕が上がりました。 斜陽。自らの来し方を証し立てようとでもするかのように語り始める車椅子のムラカミ。 舞台を占める鈍い銀色は生命の躍動から最も隔たったかのような配色です。 一転、回想のなかにあっては、衣裳の色彩は鮮烈にして、 その民族のアイデンティティの別を視覚的に浮かび上がらせます。 馬賊の赤、カリオン族の青、高貴なガルシンの紫等々、 勢揃いする場面では、あたかも色の洪水のよう。 なかでも踊り子たちの背中や肩が青い衣裳から零れて露出するさまの、 優美にして官能的な、えもいわれぬ美しさに思わず息を呑みました。 ムラカミが回顧する総天然色の物語部分にあっては、まずはミンクスの音楽ありきで、 いつになくバレエらしさを示して踊るNoismダンサーたちが却って新鮮に映じました。 フイシェンとバートルの婚約式の席上、ミランが仕掛けられた奸計に陥り、一幕が閉じると、 休憩をはさみ、二幕は「影の王国」から始まります。 冒頭は、過日、公開リハーサルで見たパートの筈が、 大胆に手が加えられていて、よりスッキリとした印象で滑り出します。 芥子の白い花びらを思わせる装置の下、繰り広げられる亡霊たちによる耽美的な群舞には バートルならずとも目を奪われるほかありません。 瞬きも忘れて見開かれたままの両の眼は潤いを失い、ドライアイになるとも、 幻覚の亡霊たちによる誘惑と、それに翻弄されるバートルの寄る辺ない背中とに 釘付けになる以外なかったのです。 まさにこの世のものならぬ美しさに酔いしれる時間。贅沢このうえありません。