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山田先生への手紙 | ぶ厚い手帳:コピーライター中村禎の場合
恩師に手紙を書く。まずキーボードでテキストを打つ。この漢字は間違っていないか、この言い回しは適切かどうか、確認しながら、何度も修正しながら書く。ほんとにデジタルの道具は便利だと思う。 そして、万年筆にインクを入れて、Macのテキストを見ながら清書する。字を間違えないように、ゆっくり書く。書き上げた原稿用紙を便箋に入るように三つ折りにする。そして読み返してみる、そのとき。 右手の中指と人差し指についたインクの指紋が原稿用紙についてしまった・・・ああ、書き直し。同じ文面を書く。今度は洗った手についた水で字がにじんでしまった・・・ああ、また書き直す。ほんとにアナログの道具は不便だと思う。 手間がかかる、時間がかかる。だから、手書きでもらう手紙はうれしいんじゃないだろうか。『インクのシミがついていても、自筆で書いてくれたのだから多少のことは気にするまい。それより、そんなに手間をかけて、時間をかけて自分のことを考えてくれたということがうれしいじゃないの』と、相手も思ってくれることを期待して。 人に伝えるということは、文章の技術だとか、文字が達筆だからとか、そういうことは関係ないと思っている。相手への思いをどれだけ込められたか、じゃないかと、ボクは勝手にそう思っている。自己満足かもしれないけれど。 中学時代一番怖かった恩師に自分の書いた本を送れるという、有難き幸せ。今年のお盆は、何十年ぶりかの福岡県北九州市門司区の、中学時代の同窓会に出席する。