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バラ色のウソをつきなさい | Junko Takijiri
ある小説家がある作品の冒頭で「どうせつくならバラ色のウソがいい」と書いています。真っ赤なウソでもなく、バラ色の夢でもない、バラ色のウソとはどのようなウソのことだと思いますか。よく考えて、あなたなりに、これは!と思う「バラ色のウソ」をついてみましょう。 母校の大学、文学部の入試で過去に出された問題である。 今の名前は違うが、当時は「総合考査」と「調書課題」と呼ばれる2種類の問題が出されていた。総合考査は計3問。A4サイズ、8ページ、2段組みの文章を読んで、2つの設問にそれぞれ300字以内で答える。加えて、課題文の指定部分を外国語に訳す。調書課題では、与えられたテーマで400字以内の文章を書く。 総合考査は、入試の現代文と小論文を合わせたもので、哲学、倫理、社会、文化などから出題される。硬くて緻密でガチガチの論理の世界を歩き抜いたあと、持ち帰ったエッセンスを再び論理的に構成しないといけない。 一方、調書課題は論理性に加えて、感性も見られていると思う。強烈だったのは前述の「バラ色のウソ」だが、他にも「架空の本の書評を書きなさい」、「いのちよりも大切なものがあると思いますか」などがあった。私が受けた年は、「見ることや聞くことが優位な現代社会において、『におい』や『かおり』が果たす役割はどのようなものだと思いますか」だった。 私は何かを書くとき、つくるとき、時間の8割をメモに費やす。単語を羅列したり、つないだり、まとめたり、連想したり、消したり、書きなおしたり、図を入れたりして、とにかく散らかす。この時点では文章にしない。文章にすると、どう見せるか、どう構成するかにとらわれて、批判的になり、狭くなる。車をぶっ飛ばすケルアックの『オン・ザ・ロード』よろしく、「いいね!いいね!いいね!!」とスピードを上げて突き進む。次の1割で、出てきたものを放っておいたり、ぼけーっと眺めたりする。最後に、残りの1割で整理整頓する。紙いっぱいに書きなぐった雑多な絵の上で、迷路の入口と出口をつなぐように線を引き、それ以外を消し、よそいきに仕立てる。