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春色の味つけ | Junko Takijiri
0.3のシャープペンを買った。なじみのDr.Grip、HDGS-60R3-P、ピンク。 普段は黒いものを買うことが多いので、カラバリにブラックがなくて困る。「これは(今まで持ったことが)ない」と消したソフトグリーン、ブルー、バイオレット。残ったソフトブルー。決められない。Dr.Gripの0.3は外せないので、どちらかで決めなきゃいけなくて理由を探す。どうでもいいものの中から選ぶのは苦手である。 ピンクとソフトブルー。母が幼い私と妹に与えた、服の色の選択肢。うーん。 今日のラッキーカラー? 今年のラッキーカラー? 知らない。 補色のグリーンとイエローを含めて、この先好んで着たり持ったりする? たぶんない。 顔を上げて、最初に目に入った人の服の色で決める? レッド。 せめてレッドがあったらな。まだ持ってるほうだしな。赤系ならピンクかな。いや、かわいすぎるかな。 うーん。 ピンク、ソフトブルー、ピンク、ソフトブルー、ピンク、ソフトブルー。うーん。 ピンク、ソフトブルー、ピンク、桃色、ソフトブルー、水色。おや? 桃色、水色、桃色、水色、桃色、水色。 桃色、桜色、水色、空色。 桜色、空色。 桜と空なら、桜かな。ちょうどもうすぐ春だし。私春生まれだし。うんうん。 と思ったところでたいへんびっくりした。ピンクとソフトブルーを桜色と空色に言い換えただけでスパークジョイ、ときめきが発生していたから。幽体離脱のように私を観察する私が、「きみ、こんなところでも意味づけかね、言葉なのかね」とあきれながら言った。これはどうでもいいものをどうでもよくなくする力、自分のためにコピーライティングする力なのだよと言い返し、会計へ向かった。