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新しく世界を認識しなおす方法としてのアニメーションーー『ペンギン・ハイウェイ』レヴュー
 映画『ペンギン・ハイウェイ』(石田祐康、2018年)の主要登場人物のひとりである「お姉さん」にはどうやら、ジュース缶や野球ボールをはじめ、あらゆる無機物をペンギンやコウモリ、架空の怪物に変身させる能力が備わっていることが映画中盤で判明する。無機物がペンギンにメタモルフォーゼする様子は、作中でくり返し描かれる。このように本作では、生物/非-生物の境界があいまいになっている。それは、第一に原作からの要請ではあるのだが他方で、アニメーションの特質にもかかわる。本稿ではまず、観客の認識に作用することがアニメーションの特質であることをあきらかにする。そのことから導きだされるのは映画『ペンギン・ハイウェイ』が、アニメーションの特質を逆手にとって観客の認識を裏切ることで逆説的に、オートマティックな認識のしかたにたいして変更を促す作品であるということだ。 ©2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会 さて、アニメーション(本稿ではグラフィックを素材にした作品を念頭においている)がつくりだす世界は、森羅万象がグラフィックによって表現されているため、すべてが均質化された世界となる。ゆえに、生物/非