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vol.1 特集:レオス・カラックス
総合批評誌『ヱクリヲ』 Vol.1 SOLD OUT Contents レオス・カラックス特集 Interview:堀越謙三 ミニシアターブームの火付け役であり、ユーロスペース代表でもある氏のインタビューではプロデューサーとしてカラックスに加えオゾン、キアロスタミ、カウリスマキを支え、裏舞台を知り尽くしているがゆえの秘話が満載。以下、インタビュー本文より。 堀越「成瀬巳喜男のヨーロッパでの再評価は、蓮實さんが83年にロカルノ映画祭で紹介したのが初めて。海外での評価は遅かった。カラックスが凄いのは(その前に)初来日の24歳の頃から成瀬を認めていた。レオスが成瀬成瀬と言って、蓮實さんも大したものですねと」 1983年のピンボール(谷口惇) 丹生谷貴志は阿部和重『鏖』を「シフター」という概念を用いて論じています。言語学者ヤーコブソンの提唱したシフター(転換子)とは「文脈によってその趣意を変化させる記号」を意味します。関係性の中に投げ込まれ意志を持たずに動く人物――『ボーイ・ミーツ・ガール』のアレックスもまた同様です。カラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』はその題名とは裏腹に男女間の非応答(2人の間を遮る遮蔽物の数々…)を描く作品でもあります。複数の男女の邂逅ではなく「ミーツ」という関係の連鎖こそが主題であり、アレックスは「シフター」として作品世界を動き回ります。 『汚れた血』、あるいは「動かない」いくつかの疾走をめぐって(谷口惇) 『汚れた血』を観たら、誰もが屈指の名場面、「モダン・ラブ」と共に疾走するドニ・ラヴァンの姿を強烈に記憶することでしょう。このシーンで、ラヴァンはなぜ「左から右へ」走るのかーー別役実の演劇論からゾエトロープまで議論を敷衍してみましょう。ラヴァンが疾走する街路の壁の縦縞の模様から「ゾーエトロープ」を導き出すことで、『汚れた血』終盤のアンナの疾走から、『ホーリー・モーターズ』におけるランニングまでを通底して捉えることができるのではないでしょうか。 生の輝き――『ポンヌフの恋人』――(沼本奈々) 概要:作成中 ホワイト・ノイズからブラック・ノイズへ――崩壊する世界と自我の目覚め――(佐久間義貴)