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[Review]: 高校生のための経済学入門
「経済学」と「経済」が乖離しているから役に立たない-----なんて口走れない。経済学にうとい。経営学を専攻していたけど「経済原論」「金融政策」といった講義をスルーした。大人になって苦労した、とは思わない。が、なにかしっくりこない。金利、デフレ、再分配、市場原理.....経済にまつわるあまたの単語が紡ぐ報道や事実に遭遇したとき、俯瞰する地図が描けない。どこに立てば全体を見下ろせるのか。わからない。論点の定め方に問題があるのだろう。だけどその論点を取捨選択する能力を備えていない。そういった歯切れの悪い沼にはまったとき、入門書を手にするように自分をプログラミングしている。ただし、「良質な」と条件を加えるとこれはこれで語り合えるぐらい難しい性質。 「世の中は不平等より平等のほうがよい」という考え方は、もちろん程度の差こそあれ、私たちの頭の中にあります。この考え方を公平性(衡平性と書く場合もあります)の観点といいます。市場は、限られた資源を最も有効に活用するという効率性の面では高い点数が与えられますが、公平性の面ではあまり得点を稼ぐことができません。だから、そこに政府の仕事がでてくるわけです。市場でのさまざまな経済活動の結果、得られた高かった人から政府がいくらかを徴収し、残念ながら所得の低かった人にそれを再分配するという、所得再分配が政府の仕事として生まれます。 『高校生のための経済学入門 (ちくま新書)』 小塩 隆士 P.95 政府の介入が所得再分配の仕組みを機能させる。アメリカへ目を向ければ「市場にまかせなさい、政府はあまり余計なことをするな」と力説する一派もある(過去のエントリー 参照1,参照2)。どこまで公平性を追求すべきか? ベンサム的功利主義かロールズ的正義論かと対立するのは両極端。公正性の追求は置換すれば政府にどこまで所得再分配機能をまかせるかに着地する。そのバーターは「効率性」。つまり、公平性と効率性はトレードオフの関係にある。 公平性と効率性をどう組み合わせよう。公共事業か市場原理かでは身も蓋もない。公平性と効率性をミックスした所得再分配機能をはたす組織は政府以外にないのか。政府か民間ではない。両端にブリッジをかける役割が経済学。学であるので「論点が何でどのように導き出すのか」を論考するための道具。私の場合、その道具を巧くあつかえないから眼前の画像や識者の感想になびく。 経済学を知らない私にはまさにうってつけ。詰まっていた単語ひとつひとつを咀嚼できた。しかし、それらの単語を使って自ら出発点をたて理路整然と筋道を歩く力はまだまだ先。バカなのだから仕方がない。一歩一歩、着実に。 はしがき 序章 経済学を学ぶ前に 第1章 需要と供給の決まり方 第2章 市場メカニズムの魅力 第3章 なぜ政府が必要なのか 第4章 経済全体の動きをつかむ 第5章 お金の回り方を探る 第6章 税金と財政のあり方を考える おわりに