mai12

Rapha Continental ISHINOMAKI

石巻を走ってきた。
走行中、自分の心境の変化が、少なからず今の日本全体の気分であるように感じた。
見たものをどう受け入れ、消化するか。
「伝えること」の重要性とは?
目を背けようとするあまりに自己憐憫へと転化してはいないか?

カメラは持ってこなかったけれど、持ってきてもたぶん撮れなかった。
自分の、写真に対する中途半端な思いを突きつけられるような気がして。

海岸寺ライド



今日のRapha
Cross Cap
Pro Team Jersey,white
Gilet,black(edition 2009)
Merino Baselayer
Merino Armwarmer
Classic Bib Shorts
Winter Socks
Rapha + Paul Smith Grand Tour Gloves


気温は下界で20℃、上で17℃。
完璧なレイヤリング。その6割はメリノアームウォーマーが貢献。
標高の高いところの住人には必須のアイテムとなりそう。
プロチームジャージは100%化繊素材のメリットも多いが、
それ以上に嬉しいのは襟が低めに設定されていること。
しっかりと襟までジップを締めて防風するジレと重ならず、首が苦しくならない。
カラーコーディネートは間違いの無いモノトーンながら、
ワンポイントのつもりで入れたクロスキャップのピンクがいまひとつマッチせず。
Lightweight Capのような白基調のキャップを合わせるべきだったかな。



今週末にはRaphaコンチネンタル(旧名:四列島)のライドがあるということで、
2週間の大阪出張で鈍りきった体に刺激を入れる。
初回四列島の舞台となった海岸寺を通るルートにしたのは、あの時の緊張感、
Independent Fabricationのバイクにまたがった時のワクワク感(その時初めて乗った)、
どこまででも飛んでいけそうな気がしたあのライドのイメージをもう一度掴みたくて。
そのときのライドは、ショートフィルム付きでまとめられています。
Raphaコンチネンタルライド「瑞垣」 

もうあれから2年半…。
あの一日でRaphaと八ヶ岳に引き込まれ、とうとう居着いてしまった。


ひとりで走る時には滅多に50km以上を走ることはない。
加減というものをしらないので、短い距離でも疲れるまで乗ることができるから。
それにしても、日曜だというのに自動車も少なく、
またいても大きく幅をとって抜いていってくれるクルマばかりで非常に走りやすい。






登り始めて、すぐにイメージとは違うのに気づく。
足が重くて回らない。
でもこれは、しばらく乗らない間を置いてのライドではいつものこと。
足よりも、力の入らない上半身の苦痛をどうすることのできないまま登っていく。








ライドは、多くの場合イメージ通りとはいかない。
それでも、坂を登りきったときの達成感が、先ほどまでの苦しみ、歯がゆい思いを帳消しにしてくれる。
しかしこの帳消しがある意味で厄介で、とりあえず登りきれたことに満足してしまうと、
なぜこんなに登りで苦しんだのか?という自問が露と消えてしまう。




レーサーでは無いのだから、目の前の坂を登ったことに喜んでいればいいのだが、
やはりかつてのいいイメージ通りに登りたい欲求を隠すことはできず、
あえて自問を言葉通り、自分に問うてみる。
敵は自分のうちにある。敵というよりも、よりライドの満足を高めてくれるのだからむしろパートナーというべきか。
自分自身が自分自身のパートナー。
こんなに内省的なスポーツはあまり知らない。








国道141号線に出て、萌木の村にGARMINののぼりが出ているのを見て立ち寄ると、
スポーツカーのイベントをやっているらしく高級車が立ち並んでいる。


スタッフの人に訊くと、
「ここにあるクルマは8ケタはザラですよ」
とのこと。


趣味の世界は、常人の秤を超えたところに存して初めて男の自尊心を満たす。
ただ山に登りたがるサイクリストも、本質的にはそういうことだとおもう。






すっかりすっからかんになった脚で下りの右コーナー。
を抜けたところに巨大なシカがいて急ブレーキ。
5秒ほどみつめ合ったのだが、10mほど先にいる、自分の背丈ほどもあるシカと対峙して、
自らの無防備さに心もとなくなる。
時速70kmで下っているときよりも、素っ裸で世界に投げ出された不安を覚える。
タイヤのこすれる音で、瞬時、森へと消えていった。


正しいドーナツの食べ方。

穴を食べるのです。穴ぼこを、飲み込むのです。

—-映画『レンタネコ』より