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金魚


金魚といえば、蜷川実花さんの写真を思い出す。

20代の頃、「a piece of heaven」の写真集を見て蜷川実花さんの写真が好きになり、「17 9′97」「Pink Rose Sweet」「Acid Bloom」「Liquid Dream」「floating yesterday」と新作が出てはお金を貯めて買い、個展に行き、彼女のような鮮やかで可愛い写真が撮りたくて、女の子のポートレートや果物・ケーキ等を撮っていた。

彼女の花や物を撮った作品の世界観が好きだったので、「Liquid Dream」以降は奇抜で鮮やかなセットを組んだ芸能人の写真の作品が増えていき、次第に離れていった。

2010年に「noir」が発売されたことは知っていたけど見たことがなかった。

今年3月に自分の写真を展示した時、来場者の1人から私の作品に、蜷川実花のnoirのような「(心の)揺れ」が表れているというコメントをもらった。


それから改めて「noir」を見た。

「noir」は蜷川実花の「裏」や「闇」の一面と評されている。

見てみると、それまでの蜷川実花作品と何も違わず、違和感のない彼女らしい世界観の作品を感じた。


「noir」のテーマは「死」と「生」。

確かにそこには「花」「生き物」等の彼女の作品に多いモチーフが出てきつつも、他の作品ではセレクトされなかっただろう暗さや陰気さがある。

けれども、彼女の作品には初期の頃から一貫して、女の子が好むような可愛さや鮮やかさの中に毒気があり、直接的な表現ではなかったがどこか死を連想させるイメージがあった。

改めてじっくり見た「noir」は何度も読み返したくなる写真集で、私はやっぱり蜷川実花が好きだったんだと思い出した。