1955's

研究所内で生活して、起きていれば、ずっと仕事をします。昼も夜も、勤務時間というものはありません。給料は普通のサラリーマンの三倍以上、ところが、お金を使う機会は皆無です。銀行口座に貯まる一方ですよ。全員がほとんど一人で仕事をします。人と会うことは極めて希です。会議は電子会議ですし、話もコンピュータ上でします。我々は、平気で人の悪口を言い合います。マナーとかセレモニィはありません。挨拶もしませんし、一緒に食事もしない。歓送迎会もない。社員旅行もない。ルールは一つしかないんですよ。出来上がるまで黙ってろ、です」 「理想的な職場ですね」犀川はにっこりと微笑んだ。