泣く

「キャパ越えです!納期に間に合いません」という仕事量について「じゃあ人を増やそう」「納期を延ばそう」「コストを増やそう」「断わろう」というのがマネジメントであって「そこをなんとか」と頭を下げるのは子どもが泣くのと同じである

独身の頃

ヒールの靴が好きだった
お酒は苦手だったけれど友達と過ごすお酒の場の楽しい雰囲気が好きだった

好きな音楽はミスチルでいつもウォークマンに入れて好きな時に聴いていた
電車の中でゆっくり本を読むのも好きだった

お風呂では半身浴をして
美容院には2ヶ月に1回は必ず行っていた

お化粧するのも好きだった
1人で行く映画館が好きだった

流行りの雑誌を買い
流行りの曲を聴き
流行りの服を着て
流行りの場所へ好きな時に出かけた。


そんな私は 今


泥だらけのスニーカーを履き

子どもたちの着替えやオムツが入った大きなバックを肩にかけ

ちゃんとした化粧もせずに

髪を一つにくくり

毎日
子どもたちの手を繋いで公園へ散歩に行っている。

聴く曲はミスチルからアンパンマンマーチに変わった。


眺めているのはファッション雑誌から
子どもの母子手帳や幼稚園からの手紙に変わった。


考えていることは
今日の夕飯のメニューと
長女が幼稚園から帰ってきたあとのおやつ、お風呂、夕飯の流れの確認。

今日の天気で洗濯物が乾くかどうかと
明日の長女の遠足が晴れるかどうか。

最近眠くなると激しくぐずる長男を昨日つい怒ってしまったから
今日は早く寝かせてあげよう。
今日は怒らないでおやすみをしよう。


そんなこと。

毎日 押し流されるように迫ってくる日常があるから

キレイに片付いた部屋も
大の字で朝まで眠れる夜も
ゆっくり塗れるマスカラも

なんだかもう思い出せない。

そう。


思い出せないから

私たちは つい 忘れてしまうのだ。

この毎日が

ずっと続かないということを。


1人でゆっくりお風呂に入れるようになったら


湯船の中 あなたと向き合い数を数え

柔らかく響いたあなたの声を


私は思い出すのでしょう

1人で好きなだけ寝返りをうち眠れるようになったら


どこまで寝転がっても隣にいないあなたのぬくもりを

私は探すのでしょう


好きな音楽のCDを好きなだけかけられるようになったら


この部屋の中に溢れていたあなたの笑い声を思い出して

私は泣くのでしょう

好きなだけお化粧に時間をかけられるようになったら


私の洋服をひっぱり
膝の上によじ登り
私のやることなすことをお邪魔してくるあなたのその小さな手を思い出して

私は泣くのでしょう

好きなだけヒールが履けるようになったら


笑い転げるあなたを追いかけて走り回り
泥だらけになって遊んだあの空を思い出して

私は泣くのでしょう

自分とパパの洗濯物だけを回す日々が訪れたら


砂まみれの靴下も
おしっこを失敗したズボンも
牛乳をひっくり返したシャツも

洗濯カゴにないことを知って


私は泣くのでしょう


あなたの足音がしない部屋の掃除機をかける日が訪れたら


粉々になったビスケットの食べこぼしも
小さなおもちゃの部品も
あなたの細い柔らかい髪の毛も落ちていないことを知り


私は泣くのでしょう


1人で好きなことを
好きな時に
好きなだけ出来るようになったら


どんな時も「ママ」「ママ」と私を呼び

どんな時も私のことを探しているあなたの姿を思い出して


私は泣くのでしょう

一体いつまであるのかな


一体 いつまでここにいてくれるのかな


そして

そんなことを考えているうちに

また 今日も終わってしまった。


私たちの日常は「子どもが側にいる『今』」だから

子どもから離れて1人になれた瞬間が特別に感じて

好きなことを堪能できる喜びを噛み締めるけれど


でも 自分の人生を考えてみたら


特別なのは


本当は 子どもが側に生きているこの毎日の方。


でも 私たちはそれを忘れてしまう。

なんだか ずっと続くような錯覚を起こして毎日を過ごしているけれど

大変に思えるこの毎日に

数えきれない 愛しい が散りばめられていることを

私たちは いつか知るのです。


子どもたちが

この世に生まれてから今日まで

ママとパパのために
全身を力いっぱい使って思い出を撒き散らしてくれていたことに

私たちは 過ぎてから気付くのです。


ママの毎日は

ママでいられる毎日です。

私たちは この命が尽きるまで

どんなに子どもと離れていても子どもを思い、心配し、愛し続ける 子どもたちの母親だけれど


でも 子どもたちの側で『ママ』でいられることの出来る日の

なんて短いことかを


いつか思い知るのでしょう。

今日もあなたは

屈託のない笑顔で振り向き

「ママ!」と言って

両手を広げて こちらに飛び込んでくる。


忘れるものか。


絶対に。

絶対に。

あなたの前髪を切り過ぎて笑った昨日を。

あなたを怒って自分に涙が出た今日を。

あなたの寝相に笑った夜を。

あなたが摘んでくれたシロツメクサの白さを。


あなたに許された私を。

あなたがいてくれるこの毎日を。

私は 絶対に忘れない。

—  ママの毎日 | LICOオフィシャルブログ「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」Powered by Ameba
Japanese Phrases: Sadness

泣くな (naku na) - don’t cry
寂しい (sabishii) - lonely
困るよ (komaru yo) - it troubles me
みんな来ない (minna konai) - no one’s going to come
忘れたい (wasuretai) - i want to forget
非 (hi) - fault/mistake
悲しい (kanashii) - grief
悲劇 (higeki) - tragedy

「男のくせに泣くな」と「女は泣けば済むと思ってる」はどうみてもワンセットで互いの首を締めてるだけなので
「泣くのは生理現象だし個人差があるから気にするな、落ち着いたら話の続きをしよう」でいいじゃない、というのをよく言ってます。
生物飼育が好きな友人。石垣島で採集して大切に飼育していたタイワンオオムカデがゲージから逃げ出した際に、外来種を逃がすわけにはいかないと、泣く泣くスリッパで叩き潰したらしい。この話を聞いた時は笑ってしまったが、飼育者の鑑だとも思った。生物飼育はこのくらいの覚悟と責任感がいると思う。
子守唄を歌い続けないと赤子が泣くのでiPhoneで録音した自声の子守唄を再生してみたら、泣き止みはするものの「口が動いてないのに声が聞こえてくるのはおかしい!これは本物の母か」と顔をつかんだり口をつまんできたりして結局寝ない。

1.某超有名飲料工場
時給850円 勤務時間夜10時から朝6時くらい
肉体危険度0 精神危険度100 楽しさ0

十畳くらいの個室にコンベアの入り口と出口があり、
そこから流れてくる通い箱を座って見続けるだけのバイト。
俺「何か異常があれば報告すればいいんですね?」
社員「いや、何もしなくていいから。」
俺「、、、、」
とにかく暇すぎて気が狂う。
なぜか窓もない個室なので話し相手も暇つぶしも何もない。
最初の一ヶ月は頑張ったけど、ついに寝てしまったその時、
突然社員が部屋に飛び込んできた。
「悪いけど、寝るのはやめてね。」
その場で涙が出てきて退職した。

2.謎のガラクタ売り
時給800円 勤務時間朝時から夜8時くらい
肉体危険度0 精神危険度10 楽しさ60

知り合いのツテで見つけた。
都内のまぁまぁオシャレなビルのテナントの隙間に、
仕切りも什器も一切ないただの床に無茶苦茶に古着とか家電とかが散乱してる中、ぽつんとレジが置いてあるのが職場。
客は、ゴミ袋みたいなのを2000円で買って、それに好きなだけそこにある物を詰めて帰っていいというシステム。
意外にも、古着が多かったので女子高生客とかが多かった。
在庫もクソもないので、万引きとか内引きとかしほうだいだったと思うけど、面倒でしなかった。
ひたすら資格の勉強したり本読んで過ごしてた。
未だに、あの品物がどっから来たのかはわからない。
結局、宿のない人々が殺到したことや商品?の臭いがきついので三ヶ月くらいで強制退店となった。
でも、やれと言われればまたやりたい。

3.ショッピングモール建築に伴う現場作業員の便所掃除
時給900円 勤務時間未明から日没まで
肉体危険度70 精神危険度100 楽しさ-100

意味不明って訳じゃないけど、きつかった。
地方にばかすかショッピングモールが建ってるころ、作業員として応募したのに実際はひたすら便所掃除をした。
ショッピングモール建設って、無茶苦茶業者が入り乱れて行われるからマナーの問題がシビアで、
ちょっと邪魔な所にトラック駐めただけでもペナルティが課される。
そのペナルティとはたいてい便所掃除だった、
しかし、どこの内装業者もギリギリの人員で回しているので、便所掃除に割く人員はない。
なので、それを肩代わりするバイト。
気軽に始めたものの、彼らのトイレマナーは凄まじく悪く、初日で精神崩壊した。
とてもじゃないけど書き込みたくないほど。
あれより汚いものをあれ以来見ていない。
一週間で泣きながら退職願い。
ちなみに出来上がったモールはそれはそれは清潔であったらしい。

3.某テーマパークに行くというバイト
日給二万円(各人) 勤務時間開園から閉園まで
肉体危険度0 精神危険度0 楽しさ90

なんか怪しげな求人にホイホイついていったら見つけた。
仕事内容は、某テーマパークに行ってひたすら遊んで来ると言うもの。
チケットと交通費が支給され、男三人で出発。
本当に普通に遊んで飯食って終わった。
後日、一人二万円が振り込まれていた。
結局何がしたかったのかは謎のままだが、またやりたいなってよく話題になる。

4.米をひたすら食うバイト
三泊四日で確か四万円
肉体危険度??? 精神危険度99 楽しさ10

治験に近いかと思う。
三泊四日の期間、病院にてひたすら三食某パック入り白米を食い続ける仕事。
寝る→米食う→採血→寝る→米食う→採血→、、、
の繰り返し。
たぶん、詳しい説明もあったんだろうけど聞いてなかった。
勉強しようと思ったけど、おかず食いてえ~って狂乱一歩手前で何も手につかなかった。
しばらく米が食えなくなったので痩せた。

5.明るい運び屋
諸経費込み日給二万円
肉体危険度30 精神危険度30 楽しさ65

便所掃除のバイトを退職した俺は暇だった。
俺を雇った内装の人々の中には、
「辛い思いさせて悪かったな~」と思ってくれてる人がいたらしく、時々単発の仕事で雇ってくれた。
その中のひとつ。ある冬の日、突然、夜八時頃電話がなり、
「久しぶり!いま暇か??」
「は、はあ、暇ですけど。」
「今から明日まで仕事しない?」
「(なんかノリで)いいっすよ!」(事務所へGO)
「この段ボール、盛岡まで届けて。etcカードとハイエース貸すから。」
「えっ、、500km以上ありますけど、、。」
「たのむ!お前しか頼めないんだ!」
「せめて、友達乗せていいですか?一人じゃおかしくなりますよ。」
「そんなんいちいちお伺いするなよ!好きに乗せろ!少ないけど、これお友達のお茶代な(一万円追加)。」
「なんか楽しそう。わくわく。」
というわけで、よりすぐりの暇人三人を引き連れ盛岡へとハイエースは走り出した。
道中はカラオケ大会になり無茶苦茶楽しかった。
その為、誰も段ボールの中身に言及しなかった。
指定された場所に着くと、そこにはやはり内装業者の人らしいハイエースが停まってた。
ボロボロの作業服でタバコ吸う数名と、スーツ姿でひたすら貧乏ゆすりしている強面のおじさん二人がこちらのハイエースに気づくと、おじさんが作業員に顎で合図した。
すると、しゃがんでタバコ吸ってた金髪の若者が突然猛ダッシュでこちらへ走ってきた。
焦りすぎて急ブレーキで停まると、若者も急ブレーキで停止し、みるみるうちに顔が青ざめた。
「早く開けろや!」と怒鳴られ、「ひいっ。」と変な声出した俺はドアのロックを解除した。
若者は、荷室から段ボールを取り出すと、その場で開け始めた。
何が入っているのか非常に気になっていたけど、とても覗き込めなかった。若者は、どうやら満足したらしく「おっけー、おっけー、おつかれさん。」と俺らの目も見ずにつぶやいた。
いつのまにか強面スーツのおっさんも近くに来ていた。
おっさんは眠たそうな目で、
「突然ごめんね、こいつ急ブレーキで荷が潰れてないか心配になっただけなんだよ。遠いとこほんとありがとなあ~。」とニタニタ笑いながら、段ボールを若者に持たせたまま中身を覗き込んでいた。
おっさんも中身に満足したのか、ニコニコしたままだった。すると、突然意味不明な事を口走った
「遠くから来たのに元気そうだねえ。四人も寄越すとは(地元の内装屋のおっさん)さんも気が利くなあ~。ちょうど元気のいい若者何人か集めようと思ってたとこなんだよ。給料いっぱい出すからついでに働いていけば?」
四人で固まったが、断ることもできずに無言の賛成ととられ、そのままハイエースで連れて行かれた。
というわけで、我々は某商業施設のひな祭りイベントの飾り付けのバイトに精を出した。
職人さんのテキパキした指示や、少しずつ出来上がっていく見上げるほどの雛壇には感動した。
ちなみに、我々が運んだ段ボールにはそれはそれは立派なお雛様が入っていた。
強面の施設の社員らしきおっさん二人は、完成した翌朝子供を連れてお雛様を見に来てた。子供らめっちゃ喜んでた。
そのまま、バイト代もらって昼めし奢ってもらって帰途についた。流石に帰り道はみんな無言だった。

6.ペットボトルを裸にするバイト
時給850円
肉体危険度10 精神危険度80 楽しさ20

ピッキング倉庫でバイトをしていた時のこと。
「今日はこれやってくれ。」と頼まれたバイト。
エアコンの効いた部屋に、天井まで届くほどの500mlペットボトルの水。それのラベルをひたすら一人で剥がす仕事。
段ボールからペットボトルを出す→ラベル剥がす→また段ボールに戻す、をくり返すだけ。
指の脂が無くなり、爪がイカれても延々と剥がし続ける。
終わったと思うとまた段ボールが補充される。小道具が今時になった賽の河原現代版であった。
テレビ見ながらできたので限界は超えなかったが。
ここで、「なんに使うんですか?」と一言聞けない所が俺のだめな所なんだろう。

7.ラベルのないシャンプーで洗髪するバイト
一万円くらい貰えた気がする
肉体危険度??? 精神危険度50 楽しさ0

モニター事務所に登録してた時に紹介された。
家にラベルのないシャンプーが送られてきて、なくなるまでそれで髪を洗い続けるバイト。
誰も監視してないけど、一応律儀に使い続けた。
普段は一番安いシャンプーで適当に洗っていたので、そのバイト中髪がサラッサラになって感動した。
しかし、契約書の中の「異常を感じたらすぐに使用を中止してかまいません」みたいな文面を悪い方に捉えてしまい、「異常あるのかよ、、ハゲたらどうしよう、、」と時々かなり不安になった。
今思えば、普通のシャンプーの注意書きにも同じようなこと書いてあるよね。

8.誘導尋問してくる車のアンケート
時給5000円
肉体危険度0 精神危険度10 楽しさ80

大学のベンチに座ってたら、突然身なりのいいおじさんに話しかけられた。
「(誰もが知ってるカーメーカー)の○○と言います。いま、若者の車のニーズについて調べてまして、、。」
正直、車に興味は無かったが応じることにした。
「車は持ってる?」
「中古のハイゼット持ってます。(海釣りで前泊したり山登りやキャンプ道具満載にしてた)」
「渋いね!なんでハイゼットなの!?(興奮)」
「あ、寝るのに便利だし、、」
「寝るの!?誰と??」
「え、いや、、」
「彼女いるの?」
「いや、いません、、」
「彼女いたらさ、車で一緒に寝たい?」
「(うわあ、、こいつやばいぞ。逃げよう。)」
「実は、当社でこんな車考えてるんだけど、君が『したいこと(強調」』できそうかな、、?」
「(えっ、、本物の社員??)」
「ところで、どうして車で寝るのかなあ?」
「(意思疎通できてねーよ!)あ、金がないからとか、、?」
「そっかあ~、、ほかにない?」
「えっ、、、」(以下、彼の望む言葉を引き出すまで延々と続く)
折れた俺が妄想のジゴロキャラで対応すると、彼は名刺と五千円入りの謝礼と書かれた封筒を差し出して帰っていった。
名刺は本物だった。
カーメーカーの言う「若者のニーズ」なんて適当なんだなあ~、と思った。

9.謎の食べ放題イベント
時給0円 食べ放題
肉体危険度0 精神危険度50 楽しさ-30

欲しかったテントを衝動買いして、金がなかった俺はその日食うものにも困っていた。
そんな時、大学であるチラシを見つけた。
「新入生だけの無料パーティ!ビュッフェ食べ放題!おしゃれしてきてね」
みたいなクソださい文面が載っていたが、食べ放題無料という所に惹かれてすでに三年生になっていた俺は一人で突撃した。
場所は都内のめちゃくちゃおしゃれなビル、の地下のカビ臭い倉庫。
なぜ倉庫?と思いながらも入場。新入生限定とのことだったが、ノーチェックで入れた。
倉庫には申し訳程度のDJブースと、全然イケてないコンパニオンがガムを噛んでいた。
周りには、入学式から直行してきたような新入生達がそれなりにガヤガヤしていた。
いちおう、「クラブイベント」風を目指しているのは分かったけど、本当にクラブ遊びしてそうな人々は一人もいない。
あのダサいチラシを見て「行ってみようかな~」と思うような人々なのだから、俺を含めて挙動不審に地下倉庫をウロウロするしか能のない人々ばかりだった。
お目当てのビュッフェは、焼きそばやコロッケなどの親しみやすい茶色中心のメニューばかりで非常に助かった。ここぞとばかりに食いまくって、満足して帰ろうと思ったが、デカい黒人のセキュリティに「NO NO スティヒアー」って感じで止められた。
その時点で、ようやく「やべえ~」って思った俺は、ようやく周りの赤の他人に話しかけた。
「ねえ、ねえ、ここつまんないし、もうお腹いっばいだから、いま帰ろうとしたら、、。」
「僕もなんですよ!やばくないすか?」
「、、。」
「、、。」
すると、異様に黒い三十代くらいのチャラい男が、ぎこちない会話をする俺らにマイクを突きつけてきた。
「イェ~~!」
反射的に二三歩下がる俺たち。
また間合いを詰めて「イエ~~!」
俺は、とっさに話しかけた青年の上着をぎゅっと掴んだ。
「楽しんでるねぇ~!」
「どっから来たのお~!」
「君たち、ちょーいけてる~!」
現実と噛み合わない台詞を大声で吐く男の目を見て、何となく意味が、分かった。
(頼む、話を合わせてくれ)
俺が話しかけた青年は、ダサいけど凄く機転が効く奴で、
のらりくらりと、かつ効果的にマイクに向かっていかに我々が、盛り上がってるかを話し始めた。
マイク男は、調子よく話しながらも青年がナイスな受け答えをすると親指を突き立ててた。
「岐阜から来たんすケド、東京ヤバいっす!」
「もー友達作っちゃったんだ!俺らも嬉しいよ!」
「憧れの(某施設)でイベントやっちゃうなんて、ちょーやばいっすね!」
「だろ!?ここでイベントなんてふつー考えないよねー!」
「さすがっす!もうみんな踊りまくってますよ!」
現実には、倉庫の床に座り込んで焼きそばを吸い込むダサダサ軍団にさっきの黒人セキュリティが「頼むから座らないで、踊って」と頭を下げているのだが。
最終的にわかったことは、
このイベントはとあるfm局が、東京に出てきたばかりの若者をターゲットにした新番組を始めるために催したものであった事だった。
ラジオなら確かに映像は伝わらないから、どんだけ白けてても話し手が頑張れば聞き手が勝手に想像するだろう。
一応大音量で流れてるズンドコ言ってるそれっぽい曲は会場の白けを打ち消し、嘘八百の受け答えはさぞ夢を膨らませたろう。
地下倉庫であっても、有名なビルであることには変わりはない。
よく考えるなあ~と思ったけど、ラジオを作る人も大変なんだな、、と思い知らされた。
マイク男は、番組のメインDJだった。
一通り収録が終わったあと、
「さっきはごめんね。新入生じゃないのに来てくれてありがとね。気が向いたら番組聴いてね。」って俺にだけ缶ビールくれた。

10.リゾートバイトなのか?
時給x
肉体危険度38 精神危険度-500 楽しさ50

サーフ釣りにハマってたころ、茨城の某海岸でよれよれの爺さんに声をかけられた。
当たり待ってる間に、暇なら買い取るからシーグラス集めてくれない?ってことだった。
シーグラスとは、捨てられたガラス製品が海で割れて削られて滑らかになった物で、それなりに綺麗に見えるもの。
朝マズメも過ぎて暇だった我々は夕方までシーグラスを探し集めた。
意外にもシーグラスは探すとそこそこ見つかるので、結構楽しく集めた。四人でレジ袋いっぱいに集めて、もー見つからねえよ~ってなってから、さっき教えてもらった爺さんの携帯電話に電話した。
爺さんは無茶苦茶喜んでくれて、俺らも楽しくなった。
そして、そのまま爺さんは去っていった。
あれっ、買い取るからって、、と誰もが言い出せず、ハハハ、、と笑って見送った。
帰り道、小さな売店でその爺さんが「沖縄の夢、、」みたいなラベルの貼ってあるシーグラスの詰まった小瓶を売っていたのを見かけたことは記憶から消してしまいたい。

11.ビラまき
時給900
肉体危険度10 精神危険度100 楽しさ50

とある小さなメンズエステ店(インチキ)のビラを都内で配るバイトをしていた。
この店は店長がいい加減で、働きたくなったら店に行って帰りたくなったら帰ればいいので働きやすくて他のバイトと並行して何年もやってた。
めったに店長から「今日働いて!」って言われないんだけど、大きなスポーツイベントがあったときは別だった。
渋谷スクランブル交差点みたいな警官がめちゃくちゃいる場所は無理だけど、それ以外にもサポーターが入り乱れる場所があり、そこに原付きで駆けつけてビラを「ばら撒く」。
文字通り、水を撒くようにビラを路上に散らかしまくる仕事。
店長いわく、以前そういう場所でビラ配ってたら、興奮したサポーターがビラの束を奪って紙吹雪みたいにばらまいて遊んでたら客が増えたらしい。
個人的にはやだな~って思ってたけど、ばらまくのは楽しかった。
俺は見てないけど、テレビにビラが映ることもあるらしいし、それを見てひでえ店だ!って思う人はそもそも最初から店に来ないし、へえーこんな店あるんだって思う程度の人はとりあえず店の名前は覚えるらしい。
片付ける人が可哀想になって、翌日自主的に掃除しに行ってたからもうやりたくない。けど楽しかった。

12.原チャリを届けるバイト
日給五千円
肉体危険度90 精神危険度90 楽しさ35

内装屋さんから紹介してもらった。
バイク屋さんでは、新入学のシーズンになると安い原付きが売れるらしい。
免許取ったばかりの子のために、配達五千円で請け負ってるんだけど、たまに空気の読めない客がいるらしい。
関東で買ったのに、大阪の大学に進学するから五千円で届けてね~とか平気で言う客もいる。
そういう客も、親がお得意さんだったりするから律儀に届けてたバイク屋さんの代わりにトラックに原付き乗せてお届けするバイト。
単に色んな都道府県に行けるのが楽しくて金度外視でやった。

13.オートロックを止めるバイト
時給千円くらい
肉体危険度0 精神危険度0 楽しさ0

繁盛期に引っ越し屋さんのバイトしてたとき、オートロックつきのマンションの引っ越しに出向いた。
バイトは何人かいたけど、中でも俺が一番ヒョロガリだったからか、
「オートロック閉まらないようにドアの前に立ってて!」と言われ、三時間くらいひたすらドアが閉まるのを防いでた。
同じ時給で働いてる同年代の子らがヒイヒイ言いながらクソ重い荷物を運んでるのを尻目に、ひたすら立ってた。
気まずい思いのまま1件目が終わり、2軒目に到着するとまたやオートロック。
もはや誰にも言われずにオートロックの前に立つ俺。
しかし、その日別の現場も入っていたので、タイムリミットを迎えた俺は
「本当に申し訳ないのですが、帰ります!」
と懇願すると、社員の人は
「おっ、そうか!おつかれさん!」と
自動ドアをガムテープで止めた。

14.煙草を吸いまくるバイト
三時間で八千円
肉体危険度60 精神危険度20 楽しさ10

モニター事務所から紹介された。
都内の貸し会議室で、ひたすら煙草を吸うだけ。
ラベルも何もない無地の煙草をゆっくりゆっくり何本も何本も吸わされる。だけ。
煙草大好きなら天職では?
何回かやったあと、吸いたくなければ吸わなくていいいって気づいたのたが、禁煙したのでやめた。

15.チケットもぎりのバイト
時給850円
肉体危険度30 精神危険度30 楽しさ80

コンサートスタッフのバイトしてた時。
午前中は設営して、少し休んで、チケットもぎりして、コンサート中警備して、撤収って感じで働いてた。
チケットもぎりの時に、それなりに活動期間が長くて多少人気も落ち着いて来たようなバンドは、ベテランファンの人々が突然、
「これ、差し入れねっ!(ドン)」と酒瓶や食い物を置いてく事がよくある。
ベテランファンのみなさんからしたら、それがアーティストの好物ってのは周知の事実なんだろうけど、申し訳ないが本人に渡すわけにも行かない。何が入ってるかわからないし、渡さなくて困ることがそもそもないから。
なので、「いつもありがとうございます!」と言ってバイトで手分けして持って帰ってた。
俺はあまり酒を飲まないんだけど、公式にジャックダニエルが好物と言ってるらしいアーティストのもぎりやった時に凄い量の瓶が届けられ、二十本くらいイケアの袋に入れて持ち帰らされた。重くて重くて泣けた。

16.髪の毛を集める仕事
時給850円
肉体危険度90 精神危険度99 楽しさ0

同じコンサートスタッフしてた時。
設営に比べ、撤収は人数が減らされる事があった。
まあ開場時間の縛りがないから当たり前だけど、別の理由を確信する時があった。
某アイドルグループのコンサートを撤収するとき、客が捌けた直後に監督から俺と他数名が呼ばれ、
「ステージ30分開けるから、急いで掃き掃除してきて!」と司令があった。
これから撤収で山ほどゴミが出るんだからいまやんなくてもいいのに~と思いながら掃き掃除していると、ゴミの中にかなりの量の髪の毛があるのを見て悟った。
あー、なるほど、この髪の毛はあのアイドルの髪の毛なんだ。と。
ステージの髪の毛が一掃されたあと、わらわらーっとバイトが撤収作業を始めた。
どうやら、さっきまで歌ってたアイドルのファンがちらほらいるらしい。
そういう奴らがアイドルの残留物を漁らないように、無知そうな俺らにまず清掃してるとこを見せつけてるんだなとわかった。
攻撃的なファンから何度かゆすられたり脅されたりしたのでもうやりたくない。

17.ラーメン買ってくるバイト
時給850円
肉体危険度5 精神危険度30 楽しさ50

コンサートスタッフのバイトは、かなり変人が多い職場であった。
普通は、設営が終わると休憩に入るんだけど、職人さんたちは休む人もいれば現場のチェックしたいって人もいる感じ。
なので、職人さん達の弁当を買い出しにいくことはよくあった。
その中でも、変な監督がいて、その人は妙にラーメン好きだった。昼メシにラーメン食いたいんだけど、出かけて現場離れたくないし、カップ麺は大嫌いってことで、俺はよく使いっぱにされてた。
おでん鍋みたいなデカイ鍋渡されて、
「xxにあるラーメン屋さんで、これに五人前入れてもらってね。言えばわかるから大丈夫だよ。」って言われてむりやりラーメンテイクアウトさせられてた。
言えばわかるラーメン屋さんはとうとう一つもなかった。
けど、断るラーメン屋さんもなく、申し訳ないけど粘れば対応してくれた。
ラーメン運びを毎回俺だけ命じられるので本気でイラついてた。

友人の会社はトイレの壁にも営業成績が貼ってあり出るものも出ないという話を聞いた。かなり同情した。友人の唯一安心できる場所は五反田のファッションヘルスで愚痴を言いながら泣くこともある、最近はヘルス嬢がお弁当を作ってきてくれてプレイ後に食べるという話を聞いた。何の話か分からなくなった

人間の心臓が妊娠6週目であの複雑な構造を構築し、出生後その人の一生を支え続ける奇跡を鑑みれば、公共機関で泣く赤ん坊の多少の泣き声など

「おっ!肺動脈、大動脈異常なし!」「その真っ赤な顔、右心室左心室の中隔も頑丈!」「血液循環よし!結構!」

位に何故思えないのか。