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enku2013.jpとても楽しみにしている円空展。
震災直後に世田谷美術館で開催された「白州正子生誕100周年記念展」で見た、歓喜シリーズの抱擁する小さな木彫に心底心が癒されました。
あの時いろいろな思いがありすぎて、頭が回らず、初めて「ただ無垢な心のまま作品と対峙する」ということを経験しました。
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その素朴で暖かい作品達にまた会えるのが本当に楽しみ。
書聖 王羲之@ 東京国立博物館

書聖 王羲之
東京国立博物館
2013年1月22日(火) ~ 2013年3月3日(日)
銅や石碑に彫るそれまでの記録としての文字・字形に堅さのある文字から、紙・筆・筆を使用して人が書く筆跡の柔らかさが表現されはじめた時代。そこで誰よりも豊かに文字に感情を込め、生命を吹き込み、さらには今ある書体の基礎を築いたのが王義之です。
2013年2月2日にNHKで放送された「書聖・王羲之の革命」がとても分かりやすい番組で、石川九楊さんが実際に王義之が書いた「一」の字をまねて書きながら(臨書しながら)、王羲之がどのように感情を文字に込めたかを解説していたのですが、こうして一文字だけを取り上げてまねたり、他の書と比較して見ると、なるほど心情が文字から浮かび上がって素人でも少し読み解けます。
王羲之はたくさんの手紙を家族や知人に宛てていて筆使いや息使いから、名門貴族の出身でありながら弱い人々を慈しみいたわる温かな人間性が伝わってきます。書聖とか書体を作り上げた人というと雲の上の人という気がしますが、感情豊かでそれを筆の赴くまま現せた表現者とみると親しみが湧いてきます。
番組はもう見れないので、関連記事:視点・論点「手師・王羲之」/書家 石川九楊
この番組で初めて知ったのは王羲之の真筆は存在しないということ。
じゃあ、この特別展はだれの筆跡よ?ってことになりますが、双鉤塡墨という歴代の中国の王が真筆並みの価値を認め、賞賛し、国宝とした写しがあるのです。写しではあるのですが、これが歴代王が自身の印を押して価値を伝えていくほどの精巧な写しなのです。真筆の上に紙を置いて輪郭をなぞる方式ですが、筆さばきも虫食いの跡も、濃淡も掠れも完璧に再現されており、それはそれはもの凄く高度な技です。現在はここまで再現できる技術は残っていないようです。
私はえらく混雑しているのを覚悟で、この双鉤塡墨みたさに出かけました。もう世界で十指しか現存しないのに、そのうち5点も日本で展示されるのです。しかも近年、日本で発見された作品あり。これは見る価値ありました。どんなに目を凝らしてもなぞったぎこちなさは一切なく、自然な筆運びで書いたとしか思えない。NHKの同番組で芸大で書を研究する先生が1ヶ月再現に挑みましたが、まったく追いつけない状態でこの技術の想像以上の難易度には本当に驚かされました。

行穰帖(こうじょうじょう) (部分)
原跡=王羲之筆 唐時代・7~8世紀摸
プリンストン大学付属美術館蔵