ダイコンの辛味成分は、イソチオシアネート(辛子油)といいます。イソチオシアネートは、天然に100種類以上あると言われていますが、ダイコンには、そのうちの数種類が含まれています。中でも、4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネートは、ダイコンの主要なイソチオシアネートです。ダイコンおろしの独特の辛味は、この成分によります。とはいえ、ご質問の本題から外れますので、ここからは、ただ単に、イソチオシアネートとします。
 さて、ダイコンをすりおろすと、イソチオシアネートが発生し、辛味を感じますね、しかし、すりおろす前のダイコンはどうでしょうか?強い辛味は感じられません。これは、ダイコンは、すりおろされて初めてイソチオシアネートを発生するからです。すりおろす前のダイコンには、イソチオシアネートの元になるグルコシノレート(辛子油配糖体)という成分が含まれています。この成分自体に辛味はありません。一方、ダイコンは、ミロシナーゼという酵素をもっています。この酵素は、グルコシノレートをイソチオシアネートへ変化させる働きを持ちます。しかし、なぜ、ダイコンに、グルコシノレートとミロシナーゼの両方が存在するのに、常に辛味が発生しないのか?という疑問が生じます。これは、グルコシノレートとミロシナーゼが、植物の中で別々の場所に存在するため、両者は出会うことがなく、反応は最小限にとどまっています。ダイコンがすりおろされて均一化されますと、グルコシノレートとミロシナーゼは、互いに接触して酵素反応が起き、イソチオシアネートが発生します。このような仕組みは、アブラナ科植物に広く認められ、ワサビやマスタードシードの辛味の発生もこの原理によります。
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